小さいころから正しい金銭感覚を身に着けておけば、将来お金に困る可能性を減らすことができるでしょう。それではどうすれば節約を覚え、無駄遣いをしない金銭感覚を身に着けることができるのでしょうか。今回は小学生のお小遣いに焦点を当てました。お小遣いの金額やオススメのお小遣い制度について解説していきます。
※この記事は金融広報中央委員会の子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度を参考に作成しています。
■ 小学生、お小遣いはいる?いらない?
そもそも小学生にお小遣いは必要なのでしょうか?
結論から言うと、必要です。まだ早い!と思う方もいらっしゃると思います。理由を説明していきます。
早い方がいい
小学生になれば算数を習い始めます。数字や簡単な計算を理解できるようになり、その応用としてお小遣いは最適です。買いたい漫画があるときにお菓子をいっぱいを買ってしまうと、漫画を買うお金はなくなってしまいますよね。「これは本当に自分が欲しいものか?」というお金の使い方の基本を小額から学ぶことができます。失敗も我慢することも早いうちに経験しておくことが将来得になります。
物の価値を知れる
何も知らない子どもにとっては毎日出てくるお菓子やジュース、おもちゃなど身の回りにあるものはあって当たり前のもので、お金など気にしません。しかし、お小遣いとなれば、限られた自分の手持ちから、一番欲しいものを選ばなくてはなりませんから、当然値段を調べる必要がありますよね。そうやって自然と物の価値やリサーチ力も育むことができるようになります。
■ 小学生のお小遣いの平均と使い道
お小遣いの平均
小学生のお小遣いの金額で一番多かったのは毎月500円でした。全体での平均は約984円でした。ときどきお小遣いを渡している家庭では低、中学年は100円が最頻値で高学年になると最頻値は1000円という結果になりました。
お小遣いの使い道
全体を通して、お菓子やジュース、ゲームが主なお小遣いの使い道となりました。高学年になるにつれ、漫画の順位が上がっているのも特徴的です。
■ プレゼン制、定額制、報酬制、お小遣いの渡し方3選
お小遣いといっても家庭によって渡し方は様々です。私は月の初めにお小遣いをもらっていましたが、最近ではプレゼンをして、審査が通ったらお小遣いが渡されるプレゼン制などもあるようです。そんなお小遣いの渡し方を3つご紹介します。
①プレゼン制
その名の通り、欲しいものがあるときに親にプレゼンを行い、必要な金額を申告する方法です。
プレゼン制の良い所は考える力が鍛えられることです。親が納得する材料と根拠を集め、それを購入した場合の未来のビジョンを説明する必要があるため、論理的な思考と交渉力が自然と養われます。注意しなければならないのは、親が全部にOKを出す必要はないことです。根拠が甘かったり、納得できなければ突っぱねて大丈夫です。何がダメだったか教えてあげましょう。
②定額制
月の初めなど、毎月決まった日にお小遣いを渡す方法です。
昔からあるオーソドックスなやり方ですね。定額制は与えられた金額の中でやりくりしなければならないので、自然とお金の管理能力と計画的な金銭感覚が身に付きます。また、お小遣い帳を利用すれば、現在の残金や自分が何にお金を使っているかが一目瞭然で次の計画も立てやすいのでおすすめです。
③報酬制
家事を手伝ったり、テストの点が良かった時の報酬としてお小遣いを渡す方法です。
報酬制は実際に努力した結果がお金に繋がるため、勉強やお手伝いのモチベーションを引き出すのに適しています。気を付けなければいけないことは、結果を重視しすぎないことです。テストの点数が目標に届かないことが続いたら、勉強すること自体を嫌いになってしまう可能性があります。重要なのは努力する姿勢です。半分の報酬を上げて「次は目標達成しようね」と一言声をかけてあげれば、また頑張れるでしょう。
■ 親子で守るべきお小遣いのルールについて
お小遣い制度を取るうえで守らなければいけないルールがいくつかあります。
お金の貸し借り
お金がないからと、友達とお金の貸し借りをするのはNGです。トラブルのもとになるので絶対にお金の貸し借りはダメだと伝えましょう。
お金の使い道に口を出さない
お小遣いとして渡した後はそれは子どものお金です。余り詮索するようなことや、これは買ったらだめ!みたいな発言は子どもの金銭管理能力の成長を妨げてしまいます。心配になる気持ちは分かりますが、見守ってあげましょう。
お互いにお小遣いのルールを守る
当たり前でしょ!と思われるかもしれませんが、親子とも守れていないケースがあります。
親の場合、例えば、部屋の片づけが出来てないから、ゲームの時間を全然守らないからといった別の理由でお小遣いを減額、または渡さない、といった行動を取る方がいますがこれはNGです。片付けやゲームとお小遣いはまったくの別問題ですよね。子どもが約束を破ったから親も約束を破るなんて行為は問題を増やし、親子の信頼関係を崩すものでしかありません。
子どもの場合は、前借などですね。今手元にあるお金が無くなったから、お金が欲しいといわれても決して貸してはいけません。そういうルールであり、その失敗からお金を大切に使うことを学べるからです。甘やかしてしまうと、大人になっても欲しいものを衝動的に買ってしまう癖が直らず、借金や破産、ということになるかもしれません。お金にコントロールされるのではなくお金をコントロールできるよう教えていきましょう。
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