かかとが痛い子供|もしかしたらシーバー病の可能性あり【※放置はNGです】

毎日スポーツに熱心に打ち込むお子さんが「かかとが痛い」「最近、かかとが腫れている」と訴えたら、もしかしたらそれはシーバー病かもしれません。今回の記事では成長期のお子さんに起きる「シーバー病」について詳しく解説していこうと思います。

この記事は、兵庫県宝塚市・伊丹市でサッカークラブを運営しているカルディオフットボールクラブのスタッフが経験と独自調査をもとに記事を書いています。カルディオは、会員数500名、幼稚園から中学生の子供たちが在籍し、日々練習に励んでいます。

目次

■ シーバー病ってなに?

シーバー病は日本語で踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)と呼ばれており、かかとの骨である端骨がはがれたり、踵骨軟骨に炎症が起きる状態のことです。10歳前後のスポーツをしているお子さんに発症しやすいスポーツ障害です。特にサッカーや野球、バスケットボールなどの走る競技、若しくは剣道や体操といった素足で行う競技の場合によく見られます。

かかとの痛みを抑えるため、お子さんがつま先歩きをしていることもあり、放置すると骨折につながる場合もあります。シーバー病は成長期によくみられるため、成長痛と勘違いされがちですが、膝のスポーツ障害であるオスグッド病と同じで、現状維持では治りません。適切な休息と治療が必要な疾患です。

参考サイト:社会福祉法人恩賜財団済生会(外部リンク)

■ シーバー病の症状と起こる原因

シーバー病の症状

成長期の子供がかかとに対して、運動などで強い負荷をかけることで踵骨に血流障害を起こしたり、踵骨骨端核の壊死、または骨軟骨炎を発症するのがシーバー病です。

具体的な症状は以下の通りとなります。

  • 運動中、運動後のかかとの痛みや腫れ、熱を持っていたりする
  • ジャンプやダッシュをすると、かかとが痛い
  • かかとが痛くて普通に歩けないため、つま先歩きになってしまう

といった症状になります。はじめは運動時に軽い痛みを感じる程度ですが、それを放っておくと徐々に上記のような症状が出るようになります。更に症状が進行してしまうと、痛みで歩くことが困難になることもあります。

シーバー病の原因

①シーバー病は転んだ時の傷や骨折などとは違い、1回で怪我につながることはありません。

継続してかかとに対して負荷をかけ続けた結果、発症するオーバーユース(運動のし過ぎ)が原因となります。また偏平足などのアライメント異常を持っているお子さんが多く、この場合、構造的に普段からかかとに負担をかけやすい体勢、筋肉の量、体の硬さなどが関係し問題となっている可能性があります。治療することで一時的に痛みが消えたとしても再発するリスクがあります。

②そしてもう一つ原因として挙げられるのが、時期的なタイミングです。

シーバー病には10歳前後の子供の成長期と重なります。成長期には新しく軟骨が骨になるための時期であり、骨の強度が落ちている状態でもあります。そしてそれは筋肉も同じで、成長期の筋肉は硬くなりやすく、本来の柔軟性が失われているため、怪我をしやすい状態になります。この原因①②が合わさってしまうことでシーバー病は引き起ってしまうのです。

■ シーバー病の治療

前述したように、シーバー病はオーバーユースが原因のスポーツ障害です。

運動のし過ぎが問題のため行う治療は基本的には保存療法(患部を休める)が用いられます。

家庭でできる治療

  • ストレッチ(アキレスけんを伸ばす)
  • サポーターの使用
  • シップなどを張る
  • 専用の中敷きを使ってかかとへの負担を軽減

まずは上記の方法で、患部を安静にすることが大切です。スポーツをしたい気持ちは一旦抑えて治療に専念しましょう。痛みが引かない場合は松葉杖を使用し、かかとへの負担を最小限にできます。それでも痛みや腫れがひどい場合は、かかとにステロイド注射を投与することもできます。

■ 再発の可能性あり、早めに病院へ

シーバー病は骨や筋肉の未熟な成長期の子供に多く発症しますが、成長期の終わりとともに、痛みも次第になくなっていきます。しかし、シーバー病にかかっているにも拘らず、痛みを放置したり、適切な治療を受けないでいると今後の人生で何度も再発するリスクが伴います。

子供は多少痛くても、「親に心配をかけたくないから」や「スポーツが楽しいから」と痛みを我慢して続けてしまうものです。

親や指導者が子供の痛みにいち早く気づき、痛みの原因を理解し、ケアしてあげる必要があります。一度、保存療法で痛みが回復したとしても、普段からかかとに負荷がかかる姿勢でスポーツをしている場合などは抜本的解決に至らず、再発する可能性が高まってしまいます。もし、少しでも違和感を感じるようであれば、お近くの整形外科を受診してください。

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この記事を書いた人

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