「最近、頑張っても頑張っても調子が出ない」
「体が思うように動かず、常に疲労を感じる」
スポーツをする方でこういった悩みがある方は「オーバートレーニング症候群」かもしれません。トレーニングを毎日することはもちろん大切ですが、ただ闇雲に量をこなせば結果が出ると考えるのは危険かもしれません。場合によっては、練習をすればするほど調子も結果も出なくなり、精神的ダメージにも繋がります。今回はオーバートレーニング症候群の原因や症状、治療法について詳しく解説していきます。
■ オーバートレーニング症候群ってなに?
オーバートレーニング症候群は慢性疲労症候群とも呼ばれ、その名の通り、スポーツやトレーニングによって生じる生理的な疲労が十分に回復しないまま、積み重なって引き起こされる慢性的な疲労状態のことです。また肉体的・精神的ストレスによりホルモンバランスが崩れ、自律神経のバランスの不調も影響しているとされています。
トレーニングで体力や筋肉がつくと、自信が付き、より強くなるために練習量を増やしたり負荷を上げたりしますよね。しかし、その追い込みが体の許容量を超えてしまうとオーバートレーニング症候群になるという仕組みです。オーバートレーニング症候群になってしまった場合、パフォーマンスの低下や身体的・肉体的に様々な症状があらわれ、完治には数週間から重症の場合は数か月が必要となります。
■ オーバートレーニング症候群の原因と症状
原因
オーバートレーニング症候群は1日で激しい運動をした時などではなく、継続的なトレーニングで疲労が常にとれない運動を続けたことが原因となり発症します。人間にはトレーニングで負荷をかけた後に超回復と呼ばれる回復期間があります。筋肉が大きく成長したり、以前より重いダンベルを持てるようになるのは超回復でトレーニング前よりも筋肉の総量が増加するためです。しかし、この回復の作用を無視してさらなる負荷をかけてしまったり、回復に必要な休息や栄養が足りていないとオーバートレーニング症候群になってしまうのです。
症状
オーバートレーニング症候群の症状は段階的に進行します。第1段階はパフォーマンスの低下です。練習や試合で本来の力が発揮できない、記録が伸びないといった症状が出ます。第2段階は体の不調で、軽いトレーニングなどでも疲労が取れない、運動能力が低下し本人が症状を自覚できるレベルになります。
この状態になってもトレーニングを継続してしまった場合、第3段階に突入します。この段階では慢性化が本格化し、全身の倦怠感や、食欲の低下、睡眠障害など様々な身体的な問題を引き起こします。そして最終的には気持ちの落ち込みや抑うつなど精神的疲労にまで進行してしまうことがあります。段階が進行するほどに治療期間も伸びてしまうので、早期の発見が重要となります。
■ オーバートレーニング症候群になってしまう人の特徴
オーバートレーニング症候群になってしまう人には真面目で頑張り屋さんな人が多い傾向にあります。トレーニングの日課を決めたら、たとえ雨でも風邪を引いていようと決めたからにはやる!といった真面目な考えの人だと、体の不調のサインなども無視して頑張ってしまいがちです。
そうなると体には回復できない疲労が蓄積し、オーバートレーニング症候群になってしまう可能性が高まります。真面目な人は〇日やったら必ず1日は休憩するとあらかじめ決めておくのがオススメです。
■オーバートレーニング症候群の治療
オーバートレーニング症候群は慢性的な疲労が原因なので、疲労をとること、つまり体を休めることが治療になります。具体的にはトレーニングや運動は控え体をしっかり休ませること。
ビタミンBやビタミンCなどを含んだバランスの良い食事を心がけることが大切となります。重症化してしまった場合、長期間の完全休養が必要となります。また精神的な症状がみられるなら、抗うつ剤や睡眠薬の投薬が必要になることもあります。
病状や体の調子を知るためにも、一度お医者さんに相談するのがいいでしょう。しっかり休んで体の調子を整えることもトレーニングの一環です。休んでる間のことは気にせず、調子を戻すことに専念しましょう。
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