「部活を辞めたい」
お子さんからこのような言葉を聞かされた時、親として何と返すのが正解でしょうか?中学生の大きな悩みの一つとしてあげられる部活。小学生では想像もできなかった人間関係や過酷な練習など、様々な壁に直面します。部活は最初、興味のあることや好きなものがある所に入るものですが、その気持ちが冷め、辞めたいとこぼしてしまうほど膨らんだ子供の気持ちに対して、「一度始めたことなんだから最後までやりきりなさい」「辛かったね、お疲れ様。」
など、どういった対応が一番子供のためになるのでしょうか。
この記事は部活を辞めたい子供の気持ちを紐解き、相談を受けた時の親としての考え方をご紹介します。子供が後悔しない選択をするための一助となれば幸いです。
まずはじめに、部活は辞めてもOK!という選択肢を覚えておきましょう。
意外と「一度始めたから最後まで続けるべき」という考えに囚われすぎて身動きが取れなくなってしまう人はたくさんいます。
入る前と後では状況は大きく変わりますよね。野球をするために部活に入ったのに出来ることは球拾いだけとか、部活内でいじめられているなど考えていた理想と現実は違います。
これは大人の世界でも同じで、入社前に聞いていたより残業時間が多かったり、職場での人間関係がよくなかったりで転職することは問題ありません。
なので、部活は最後の引退まで頑張らなければ、という固定観念に縛られず、辞めたくなったらいつでも辞めれるという風に考えましょう。
■ 部活をやめたいと言い出す理由
中学生が部活を辞めたいと言う理由ですが大きく分けて3つ
- 人間関係
- 練習が辛い
- 他にやりたいことができた
一つずつ解説していきます。
①人間関係
これは部内でトラブルが起きている可能性が高いです。部活動顧問との間に軋轢があったり、先輩後輩関係の悩み、生徒間でのいじめや、いじめまで行かない無視などの排斥行為など様々です。
②練習が辛い
小学生と比較すると、中学生の練習量は異常と言えるほどです。
筆者はグラウンド100周本当に走らされたりしていました。
これまでの生活からのギャップもあり心身ともに疲労するでしょう。
逆に、球拾いや走り込みばかりで練習に参加させてくれないということもあり、それが苦痛になっている場合もあります。
③他にやりたいことができた
他の部活に行きたい、勉強に集中したい、遊びたい、他の習い事に力を入れたいなど理由は多様ですが、今の部活辞めてでもやりたいことが出来た場合です。
■ 辞めるか続けるかの判断方法
子供が「辞めたい」と言った時、まずは子供の話を口を挟まずに聞きましょう。
子ども自身辞めることが良いことだとは思っていないはずなので、「辞めたい」という一言には多くの葛藤が含まれているものと思われます。その子供の気持ちをまずは受け止めてあげましょう。
辞めるか続けるかの判断について、上記の部活をやめたい理由に照らし合わせて紹介していきます。
①人間関係が理由で辞めたい場合
解決が見込めないなら、辞めるべきだと思います。
人間関係でトラブルが発生している場合、子供本人の力だけで問題を解決することは難しく、親が介入した場合も余計に問題がこじれてしまう可能性があります。
潔く辞めて、学外で習い事として始めるのがオススメです。
どうしても部活を続けたい場合は、担任の先生もしくは部活の顧問と3人で話し合うと良いと思いますが、問題解決後の環境が伸び伸びと部活に打ち込める場なのかどうかは保証されません。
②練習が辛いから辞めたい場合
練習がしんどいという理由で辞めるのはもったいないです。
キツイ練習やレギュラー争い、遊ぶ時間がないなど辞めたいという気持ちは人それぞれですが、最初は興味があったり好きなことだから入った部活ですよね。好きだったり、興味があることを続けられないで、今後一体何を続けられるのでしょうか。
キツイ気持ちは分かります。
ただ、その辛さを超えて、目標を達成することができれば今までの辛さを帳消しにして余りある達成感を得られるはずです。そして磨かれた根性は一生モノのスキルになります。
③他にやりたいことができた場合
一概には言えず、状況によります。
例えば、吹奏楽部を辞めたい、その時間を子供の頃から習っているピアノの時間にあてて、コンクールに出場、ピアノで高校、大学を受験したいという子供の中で明確に何をどうしたいのか意見がまとまっている場合、部活は辞めてOKです。
新しくできた目標に向けて出来る限りの応援をしてあげましょう。
しかし、サッカーを辞めたい、空いた時間で勉強して成績を上げる、という理由だけの場合は詳しく理由を聞く必要があります。
- サッカーを続けながらではなぜダメなのか?
- 何故成績を上げたいのか、成績を上げてどうしたいのか?
など、ふんわりとした理由で辞めたいと言っている場合、気になった全部の疑問を解消しましょう。
実際は練習がしんどくてついていけないけど、恥ずかしくて言えないから適当な嘘をついている、といった可能性があります。子供の本当の気持ちが別にある時、何かほかのことを始めたとしても上手くいかないことが多いです。本当はどうしたいのか、根本の問題を解決しないことには前には進めません。
■ 内申点や受験の話
親として気になるのは部活を辞めた後の内申点や成績にどう書かれるのかですよね。結論から言うと、基本的に内申や成績で悪いことは書かれません。部活を3年間頑張った子が「部活を最後まで頑張った根気強い子です」と書かれ、部活をやめた子は「クラス委員としてみんなをまとめ上げた真面目で誠実な子」という風に書かれます。
つまりその子に合わせて良い所を先生が記入してくれるということです。部活をやめたからと言って内申が下がるということはないでしょう。
■ 後悔しない選択
正直、正しい選択は分かりません。例を挙げ、良いと想定される可能性を述べましたが、人によって状況はまちまちです。辞めることが正解なのか、続けることが正解なのかは本人であっても分からないでしょう。
なので最後に後悔しない選択をお伝えします。子ども自身の気持ちに従うことです。子供が色んな人と話してみてアドバイスをもらい、辞めた未来、続けた未来を考えうる限り考えて、将来どちらの自分になりたいか、悩んで悩んで最後に残った気持ちに従えばいいと思います。
その選択が正しくなくても、その後失敗しても別にいいと思います。子供が考えて悩んで思い抜いたのだからそれ以外の答えは無かったはずですから。選択したならその選択を悔いるのではなく、これからやることに全力を注ぎましょう!
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