
新型コロナウイルスにより社会全体に不安が拡がる昨今、その影響は子供たちにも波及しています。
なくならないいじめ問題や増え続ける不登校生徒、保護者が抱える心労も少なくないでしょう。
そんな生徒や保護者の心のケアを行うのがスクールカウンセラーです。
今回はあまり知られていないスクールカウンセラーについてご紹介します。
もくじ
この記事を書いているのは?
■スクールカウンセラーってなに?
スクールカウンセラーは1995年から文部省による「スクールカウンセラー活用調査研究委託事業」として展開されており、全国の小・中・高校に導入されています。
集団生活のなかで人と人の衝突を避けることはできません。
いじめや登校拒否、受験勉強などによる過度なストレスが深刻化し、こうした問題やトラブルを抑えたり未然に防ぐ目的で導入されました。
生徒や保護者だけでなく、教師に対する心のケアやサポートも行っており、時代が進むにつれ多様化する問題や悩みを解消する手段として需要は高まり続けています。
■スクールカウンセラーの仕事内容
・カウンセリング
生徒や保護者、教員へのカウンセリング(面談)がスクールカウンセラーの主な業務です。
カウンセリングでは相談者に話をしてもらい、悩みを引き出したり、話すことによって気持ちを軽くすることが目的です。
・コンサルテーション
カウンセリングとは違い、コンサルテーションではスクールカウンセラーが具体的なアドバイスや指示を相談者に行います。悩
みを聞いてほしい相手に対してはカウンセリングを、的確なアドバイスが欲しい相手にはコンサルテーションを行うため、相談
者が何を求めているかを読み解き対応しています。
・カンファレンス
カンファレンスは協議のことで、ある事例に対して担任や養護教諭などの意見、現状の報告を聞いたうえで、課題解決に向けた
対処方法について議論することです。
スクールカウンセラーは報告を受けたうえで必要があれば専門的な立場から発言をします。
■どんなことを相談できるの?
スクールカウンセラーは学校に関する悩みだけでなく、家庭問題や個人の悩みなど幅広く相談することができます。
- いじめや不登校
- 家庭環境
- 教師との関係
- 心身の悩み
- 児童虐待
- 学業、進路
- 友人関係
- 発達障害
- 貧困対策
- 校内研修など
多岐にわたり生徒の悩みに寄り添います。
また、保護者や教師が抱える悩みやストレスにも同様にアプローチしてくれます。
悩みがあっても先生や親といった身近な大人に相談できないことは結構ありますよね。
スクールカウンセラーは第三者として、専門家として適切な距離からあなたの力になれるでしょう。
■スクールカウンセラーは必要か?
ここまでスクールカウンセラーについてや仕事内容に触れてきましたが、実際のところ、スクールカウンセラーは役に立っているのでしょうか?
「スクールカウンセラー活用調査研究委託業務」と銘打たれ世に出たものの、スクールカウンセラーの活用調査が行われたのは2004年に一度だけ、それ以降は現在も何も検証されていません。
内容に至っては、
- スクールカウンセラーを配備した所としていない所とで問題解決率が変わらなかった
- 臨床心理の専門家よりもスクールカウンセラーに「準ずる者」の方が生徒の問題行動は減ったという結果が出た
- 中学校にスクールカウンセラーを配置すればするほど問題行動のある生徒数は増えた
正直役に立っているとは言えないですね。
「1995年からの約10年間でいい結果が出ませんでした。」
「検証結果がこうなった理由は分かりません。」
「この検証は続けませんし、結果は出ませんがスクールカウンセラーは雇い続けます。」
というのが現状です。スクールカウンセラーは国民の税金から雇われています。
国が主導し、少なくない税金によって動いている以上、文科省や臨床心理学会は納税者に対して、この政策の展望と効果について説明する義務がありますが、現在まで音沙汰はありません。
2020年にはいじめの認知件数が過去最多の約61万件となりました。
増え続けるいじめや不登校問題に対し、適切な結果を出すためにもスクールカウンセラーについて再考する必要があると考えます。